「劇を作る、仲間で作る!」
なかの幼稚園の年長組は、三学期に劇に取り組みます。一年、いや、ほとんどの子は年中組から二年間過ごしてきた中での集大成のような時期。その時期に、劇。この時期だから、劇。
その時、劇は何の話にするのか?そこは、なかの幼稚園ではクラスで話し合って決めていきます。さて、どんな話があったのでしょう。年長そら組のクラスだよりから、どうぞ。
まず「どんな劇やりたい?」かのお話です!
(写真:劇のチームの、ノートができたよ)
そらぐみの劇は、子どもたちと候補を出して、その中から自分のやりたいお話を選んでいきます。そこで、どんなお話の劇をやりたいか聞いてみました。
子どもたちから挙がったものは、
- かにむかし
- シンデレラ
- おたまじゃくしの101ちゃん
- おむすびころりん
この4つ。絵本で読み聞かせをしていく中で、どんなお話かな?劇はどれをやりたいかな?と考えつつ読んでいきます。この絵本読み、いつもよりぐっと丁寧に行っていきます。
と伝えてから読んでいます。絵の中にも面白さや不思議なことが沢山!読み終えた後の〝読み取り〟の時間も大切で楽しいです。気付かなかった事が色々!へ?とか、おぉ!!とか、子どもたちの感性に感心です!1人の子の発言から、「もしかしたら〜じゃない??」と絵本の世界や内容が深まり、広がっていくのも楽しさのひとつです。
読み取りの後は、絵本のストーリーを追いながら、登場人物になってみたり、一部の表現をみんなでやってみたり、身体も動かして、絵本の世界を楽しんでいます。
読み取り&表現の様子
(写真:みんなでやってみた!)
【かにむかし】
読み終わってどうだったか聞いてみると…
- 子ガニ仕返ししたからね!
- お母さんガニが育てた柿なのにサルが食べて柿を投げたから
- 猿は山で柿が美味しそうだなーって見てて、食べたかったから嘘ついてカニに柿投げたんじゃない?
- 猿は嘘つき!
- カニをつぶす気持ちで重たい柿を投げたんじゃない?
などと、サルがお母さんガニに柿を投げつけた理由を言い合ったり…
(写真:イメージ図を描いてきてくれた子も)
- 毎日お水やってるから?魔法?
- お母さんガニが「はよう芽を出せ柿の種、出さんとハサミでほじり出すぞ」って言ったからじゃない?
- 切られたくないよーって思ったんじゃない?
などなど、柿の木がどんどん大きくなる面白さや不思議さをみんなで考えたり、他にもいろんな事が話題に上がりました。
そして表現では…みんなでストーリーを追いながら楽しんでいきました♪
【シンデレラ】
(写真:これはシンデレラではないのですが・・。自分たちで集まって、考えている所)
- 〝ままはは〟って何?
- えー!ままははいじわる!
- シンデレラ可愛かった♡
- 12時の魔法解けるか、走ってた!
- (女の子たちは)シンデレラもやってみたい!→でも他のお話もいいなー(考え中)
- 最後の結婚のところ劇でやるの恥ずかしいよ〜!(男の子たち)
【おたまじゃくしの101ちゃん】
(写真:たまごあるよ!うまれてこれる様に作った小道具のたまご)
1ページ目にカエルが2匹いるのを発見!
- カエルのお父さんじゃない?
- お母さんはこっちだよ!おなか大きいし。卵産んだ!
- ほら!卵あるよ!
- 泡じゃない?
- 真ん中に黒いのがあるから卵だよー!
101ちゃんが迷子になってしまうシーンでは…
- (メダカたちのところが)楽しそうって思ったんじゃない?
- あっちで遊びたいなーって思った?
- お母さんに「アイス買ってよー」って言ったのに、買ってくれないから、自分で買いに行ったんじゃない?そしたらメダカに会って遊ぼうってなって、遊んでたらアイスの事忘れちゃったのかな?
- (メダカたちに)呼ばれたんじゃない?
- 真ん中に黒いのがあるから卵だよー!
などなど、色んな考えや発見が出てきて面白かったです♪その後「俺ザリガニやりたい!」「101ちゃんやりたい!」の声があったので、ストーリーを追いながら表現も楽しみました♪
「(お客さんで)見てる!」の子もいたので、やってるところを見ていた子達、最後に拍手もしてくれました!
園長先生のつぶやき
さて、こんな風にどんなお話がいいかな?と考え、実際に絵本を皆で読んでみたり、その感想を話し合ったりします。感想を言って、面白そうなところや不思議なところは、体も動かしながら表現してみます。
そんなことをしながら、そのお話の面白さを感じ、さて、自分は何のお話で劇をやりたいか?!を決めていくのです。
お客さんに見せよう!となったら、しばらくの間、その劇の話にどっぷり浸かるわけですから、自分のやりたいお話で取り組みます。
また、ここで考えてみたことも含め、読み取ってみたことから、劇の時の動きにつながっていくこともあります。
「このおじいさんは、なんでこんなことしたんだろう?」「この時、カニは、どんな気持ち?じゃあ、それがわかるようにするなら、どうしようか?」といった具合に、気持ちを考えたり、動きを考えたりして劇を作って行くのです。
なので、年長組は3クラスあるのですが、たとえ同じお話を取り上げたとしても、クラスごとちょっとずつ違う劇が出来上がります。また、役も交代するので「Aちゃんのサルは、こんなサル」「BちゃんとCちゃんだから、こうしようか」なんて、演じる子の個性が出てきたりもするのです。