なかの幼稚園でも、10月に運動会がありました。毎年、年長そら組では、かけっこや「こどもオリンピック」という跳び箱や鉄棒に取り組むほか、リレーに取り組みます。
オリンピックについては、過去の記事もありますのでご覧ください。
なかの幼稚園の運動会「リレー」はルールも自分たちで決める!
このリレー、なかの幼稚園の取り組みを知った保護者に、必ず「へぇ~」と言われることがあります。
それは「ルールも自分たちで決める」という事です。
①まずは!走って楽しい!を知るリレー
お天気に恵まれた青空の下、河川敷のグランドまでお散歩に行き、「そら組運動会」をしました。その中に「リレー」も。そら組になって「初めてやるよ」の子達もいました。
『前の人が出たら、走るところに出る。そしてバトンをもらう。並んでいる人はしゃがむ。』など、リレーの走り方を簡単に教えてもらってから行いました。初めての子も、そうでない子もちょっぴりドキドキしなが自分の番を待ち、バトンをもらったらダーッシュ!
でも、バトンを渡す人がわからなかったり、バトンをもらっても立ちっぱなしだったり、線の中を走っていたり、、いろんな姿が見られた初めてのリレーでした。
幼稚園に戻ってからもリレー!今は走るの・リレーするの楽しい~~の時。道をショートカットしてみたり、突然止まったり??それぞれです。もちろん、そんな姿を見て「えーー」の子もいます。が、まずは楽しさ第一です。
「走る!=楽しい!」
このダイレクトな感覚、子どもはだいたい持っています。まずは、ここから、の結構何でもありのリレー。順番で並んで走る、と言う所は伝えます。年少組なんかは、そもそも順番さえあいまいな感じでリレーごっこをしています。バトンが来て、走る!のが楽しいのです。
②だんだん、ルールが出来てきます。
ルールその①「線の中に入ってはダメ」
線の内側、外側、関係なく走っていたところで、
という子が、、、じつは、中を走っていた子、他にも大勢です。
そうなのか。知らなかったもんね・・。次から気を付けよー!
ルールその②「終わりのないリレー?!が終わりのあるリレーに」
この日みんなでやっていたのは、ひたすらグルグルと回るリレー。
そこで、「いつおわるの?」の相談をしました。
第2回、スタート!
というところで5回走ってみて終了。お部屋に戻って話してみて、「100%の力を使って走るためには、1回走っておしまいのリレー!」となりました。
上の写真ですと、奥に座っている所が応援席で、一回走ったら、応援席に行く、という事です。
ルールその③「人数がちがーう!」
(写真:この日は、白帽子と帽子無しで走ってます。本文と違う日。)
一回走ったらおしまいのリレーをしてみて、またまた、あれぇ??という事態が。
白チーム、黄色チーム(かぶる帽子の色で、分かれます)、好きな方に並ぼう、と並ぶと、白が20人ほど、黄色は7人??子ども達は、この状況に気付いていない?何も言わず、だったので、このままリレーをスタート!
すると・・。黄色チームがゴール!白チームはというと、、、
となり、同じ人数でやると言い、という事がわかりました。
ルールその④「歩いちゃダメなの?」
という事がありました。C君とD君は走ると速い子。
園長先生のつぶやき
(写真:これは実は、誰に渡すの??の図。初期に良くあります)
だんだん、勝負がつくリレー、がはっきりしてきます。勝ち負けがあると「ずるい!」という事に気が付きます。リレーごっこの様に遊んでいた時にはあまり関係のなかった、他の子の走り方、自分の走り方に目が向くようになり、どうすれば公平に勝負になるか、というルールが出来てきます。
この時、クラスによっては「ずるい!」の気づき方が違うこともありますが、何回かやると、だいたいのルールは出来上がってきます。
このあと、クラス対抗戦になると、そのルールが違う場合は調整が必要になるのですが、例年は線の中は×、人数は同じ数など同じルールが出そろいます。
この時、なかのの特徴かな、と思われることが1つ。お便りからの抜粋ですが、
このように一つ一つの起きた事件を皆で考えています。勝ち、負けが出てくると、より濃く、深~い話も出てくるでしょうか。子どもの声を丁寧に拾いながら、じっくり話していきたいです。
ということです。先生が教える、トップダウンの形ではないんです。
子どもが起こった事(「事件」と呼ばれることが多いですね。勝ち負けに関わる、大事件が起こります。日々。)から、自分と仲間たちで話し合っていき、それを形にしていくのです。
だからこそ、話し合いが真剣になるのでしょう。
先生が「これについて話し合いましょう」「この場合、正解はこうです」というのではなく、先生も交えて話が進み、時に迷い込み、それでもクラスのみんなが納得できることを探す、ということです。
たまには先生が大人の知見を伝えることもあるかもしれません。でも、子どもにゆだねることもあります。(人数差に気付きつつ、やってみたのもその一つですね)
こんな楽しい、自主性を伸ばしつつ、色々な力を身に付けさせる教育は、素晴らしいと感激するばかりです、
園内も広々として、畑もあり、手作りの遊具にあふれている。いつのまにか、自分の考えをまとめ、相手に伝える力もみについている、相手の言い分を理解しようという心も備わってきた。まだ、6歳の孫は色々な事を経験し、学び、本当にラッキーな人生、
その影で、先生方の努力、愛情、園長先生が理解していたたけない内外の圧力に屈せず誇りをもって戦ってこられたのだろうと想像がつきます。結果は必ず園児たちが見せてくれますね。皆の成長が楽しみでなりません。皆様ありがとう。
宮舘様
コメント、ありがとうございます。そして、そら組だけでなく、園全体への高い評価をありがとうございます。
私も、職員がいつも子どもたちのために、全力で頑張ってくれている事、誇りに思っています。内外の圧力、は、コロナで色々ありますが、子どもの成長を見られれば、大変さは吹き飛びますし、それよりその成長を共に喜び合えることが大きいです。それも、園を支えてくれるお家の方のおかげです。
お孫さんは、そらぐみなんですね。これから卒園までの半年、そら組はグッとカッコ良くなります!子どもの成長って、素晴らしいですね。