なかの幼稚園で、畑で種をまいたら、どうなるのか??
当たり前ですが、芽が出て育ちます。「それで、肝心な子ども達はどうしてるの?」ですよね。
ちょっと、2023年度のクラスだよりを振り返って、子ども達と畑の様子を追いかけてみました。
1学期にも種まきと収穫もありますし、いろいろクラスによっても違うのですが、2学期に全学年が種をまく「大根」について、年少つくし組のおたよりから抜粋して様子をお伝えします。
大根の種まきをしました(9月4日)
畑に大根の種をまきました。種まきは3,4回目という事もあり、とても上手に種まきをする子ども達。
おまじないも忘れずに♪11月ころに美味しくできるかな~
大根を収穫しました(11月21日)
9月にみんなで畑に種をまいた大根。
という事で、20日にみんなで畑に行って大きくなった大根を見ました。
大根に向かって「もういいか~い」と聞くと「もういいよ」の声が。その声を聞いた子どもたちは、
と大喜び。
という子ども達でしたが、この日はお休みの子もおおかったので、翌日抜くことになりました。
そして、次の日。お休みだった子も元気に来れて、みんなで畑に。両方の手で大根をつかんで一生懸命抜いていましたよ。
中には勢いがついて尻もちをつく子や、なかなか抜けない子がいたりもしました。
その後、抜いた大根を持ってお部屋に戻ってテラスにみんなの大根を置いて丸く座り、『発見大会』というものをやりました。
などと先生がきいて、みてみたり、
など、子ども達からの発見もありました。
よーく見てたくさんの発見をします。子どもなので大人が意図していないような発見をすることもありますし、発見自体もよくわからない子もいます。そんな時は先生が投げかける質問を聞いて、または隣の子を見て考えてみたりします。
まずは、「よーくみてみる」「自分の見たものをことばにしてみる!」が基本です。時には、においをかいでみたり、葉っぱなんかをかじってみたりすることも。
この年は、大根がなくなったり(?)うまく育たなかったものもあり、先生が予備で種をまいた自然園の畑から収穫した子もいました。
えのぐで大根を描きました!(11月21日~)
発見大会では、たくさん発見もできたので、今度は大根を絵具でお絵描きしました。発見大会の後、
というと、
お弁当を食べた後から、描きたい子から『えのぐの部屋』で描いていきました。
見本となる大根を机に置いて、「はっぱがいっぱい」「ちいさいおひげもかく」「長い大根だ」「くろいポツポツがある」などと気づいたことを絵に描いていく姿もありました。
「もう1回かきたい」と、3~4枚くらい描いている子が多かったです。また、二日間を使って描いていき、二日間とも描いたりしている子や描くたびにどんどん描くのが楽しくなっていく子もいたりしました。
見本の大根。たまたま下の所がこんな形で二つに分かれていたので、それを真似して描く子もいました。
絵を描く。自分で大根を抜いてくる。
その間で、抜くのが大変だったり、抜いてみたら重かったり小さかったり、葉っぱを見てみたらいろんな色だったり…心がいろいろに動くんです!
「そのエネルギーで絵を描いてみる!」
お手本の絵をみて、真似して描いてみるのとは違う方向ですよね。自分のやったことから、絵にしてみる。楽しいですよ~。
「えのぐの部屋」とは、時々お部屋の一角を仕切って、絵を描くためのスペースにしたときにこう呼んでいます。なんでかというと、次に関係します。
「描きたい子から」という事で、遊んでいる自由の時間でやりたい子から描くんです。その時に、集中できるように遊びのスペースと少し区切ってえのぐの部屋にします。
自由の時間にやりたい子からやる事で、時間も好きに使えるし、先生も手伝ったりしやすくなります。
大根のお味噌汁を作ったよ!(11月24日)
21日に大根を抜いて発見大会をしているときから、「大根食べたい!」のこどもたちだったので、
と聞いてみると
などという子ども達。「じゃあ、お味噌汁を作ってたべよう」となり、お味噌汁を作りました。今回は幼稚園で初めての包丁を使ってのお料理。
「使った事ある子、いるかな?」ときくと、「は~い」の子もいました。「使ったことなーい」の子もいましたよ。
包丁の持ち方や手の抑え方、人にはむけないよ、などの話をしました。
包丁、どの子も真剣な様子でトン、トン、トン・・・と切っていました。切った野菜は机に置いてある大きいボウルに入れていきます。
みんなでボウルを持って行って、調理室で「おいしい味噌汁にしてください!」と渡していきました。
子ども達に「包丁どうだった~?」と聞くと、「たのしかった~!」と言っていましたよ。
出来上がったお味噌汁はお弁当の時間にコップに入れてみんなで「頂きます」をしました。「美味しい~」と子ども達。自分たちで作ったみそ汁は美味しいですよね。
中にはたくさんお代わりする子もいました。ちょっとたべるのが苦手な子もいたりして、汁だけ飲む子もいましたよ。
「自分の抜いてきた分は持って帰る」ので、この食べている大根は畑に余っていたものです。予備に種をまくので、だいたい余りがあるのです。
年少組。3歳って、好き嫌いのある子は、「のまない!」という子もいます。あんまり、お家では味噌汁って身近じゃないのかな??好きな子は、お代わりもしまーす。
それと、小さい組は基本として味噌汁ですが、大きい組になると何を作る?なんて相談して、味噌汁以外になる事も良くあります。カレーとか。過去はおでんになったことも。それでも残った分は、また違うものに使います。
たくあんを漬けたよ!(12月21日)
子ども達が大根を抜いた後、畑に何本か残っていた大根を抜いて、お部屋の前の天井の所に干していたんです。
大根の水分が抜けてシワシワ~になって来たので、その大根を使ってたくあんにするために漬けることにしました。
シワシワになった大根を見て「えっ!」「これ大根なの?」という声が・・。
と聞くと、何人かは「知ってる!」でしたが、「知らない」の子が多かったです。
大根を樽の中に入れて、糠、塩、ザラメを混ぜたものを大根の上にかけました。混ぜるのは、子ども達の出番。5回ずつ混ぜていきました。
最後におまじないもしっかりかけましたよ~美味しいたくあんができますように~。
という風に、大根を干して、たくあんにします。今の八王子で、身近にたくあんを漬けるお家って少ないのでは??
子ども達は、大根を干してしなびたところから糠に漬けてたくあんになる、という経験を毎年します。
なかの幼稚園は、食育とはあんまり謳ってませんが、結構食の体験は豊富なんです。特別な授業としてではなくて、当たり前にある。
たくあんは、2月ころに出して食べます。あの独特のにおいに対し、小さい組は臭い!と鼻が曲がる顔をする子が多く、大きい組はあ!たくあんだ、おいしいよね~と心待ちの顔になる子が多いです。経験ですねぇ。
と、こんな感じが、大根にまつわるお話です。
例年は、三学期は畑は作物にかかわる話題は少ないのですが、今年は3学期にも畑にまつわるお話があったので、おまけとして紹介します。
畑にあった大根5本、みんなでとったよ(2月13日)
となりのクラスが、畑の大根で味噌汁をつくった!というのを聞いて、自分達もやろう!となったので、抜きに行きました。
これで、畑の大根はすべてなくなりました。
そして翌日、エプロンと三角巾をしてお味噌汁づくり!
こんかいはすごい!「おつゆだけ飲んでみようかな」の子が3人も!挑戦したら「のめた!」一口ずつでも、「やってみよう」がすごいね!
「自分で切る」「畑で作った」「飲んでいる仲間の姿」の力が大きいですね。
味噌汁に限らず、畑とかで取れたものは口に入れたくない!という子たちが何人かいました。
おいしいのにね~と投げかけつつ、無理強いはしないで待っていた先生たち。
三学期にもう一回畑から取ってきて作ったお味噌汁を、口にしてみた子たち。そんな子たちの変化は、年度末に見えた成長の形のようで、嬉しかったです。
ブロッコリー食べました(2月27日)
二学期に畑に植えたブロッコリーがとっても大きく育ったので、ゆでて食べました!
マヨネーズを付けて食べる子もいましたが、何も付けずそのまま食べる子もいましたよ。とってもおいしかったです!
先日、職員がしみじみと、いろんな食べられるものがあるよね~、と言っていましたが、たしかに四季折々あります。
自分の身近なものに自分が食べられるものがあるって、大事ですよね。
「食は誰かが作ったものを買うのではなくて、育って採って食べるもの。」
なかの幼稚園で、パッと思い浮かぶ食べられるものは、こんな感じです。
イチゴ、かぶ、びわ、じゃがいも、トマト、きゅうり、ぶどう、かき、さつまいも、大根、みかん、枝豆、ゴーヤ、きんかん、姫リンゴ。
その年によって、ブロッコリーや青梗菜、スイカ、その他もあったりします。あ、あと、梅シロップやたくあんを作ります。採って食べるって、美味しいですよ。
「種まきは3,4回目」とありますが、1学期にカブと枝豆も蒔いていました。
指で土に穴をあけて、種を入れ、「土のお布団」をかけて手でポン・ポン。種を落としたりもしながら頑張ります。
「おまじない」おいしくなれ、と、手を土にかざしておまじないの言葉を皆で言います。クラスによって多少違いますが、だいたいは「おおきなおおきな○○にな~れ、ちちんぷいぷいのぷい!」かな。
さて、この年は暑すぎてか、芽が出ても枯れたり、あったはずなのに大根がなくなってもう一度先生が種をまいてみたり、いろいろありつつ2か月とちょっとたち、大きくなりました!