なかの幼稚園の遊びの中で、卒園生を含めて圧倒的に人気があるのが「砂場」です。
もちろん、ブランコやトラックや空き箱なども人気ですが、小学生になっても夢中で遊べるのが魅力の砂場。
園庭での存在感もあります。2か所もありますしね。今回は、そんな砂場を少し深堀してみます。
日頃の砂場をお便りから「おすなばで あそんだよ」
まずは、ある日の砂場の様子をクラスだよりからご紹介します。
クラスで大きい砂場を貸し切って遊びました!お部屋で「なにつくろうかー」と聞いてみると、
などなど、たくさん出てきたので、裸足になってさっそく砂場へ!
様々な物を作り、泥だらけになってたっぷり楽しみました!
お弁当の後も、「さっきの続きやろうっ!」と誘い合い、「パワーアップさせよ!」とあそぶ姿がありました。
と、ここまでの文章を読んで、なかのに関係している方は「あ~、あんなかんじだろうな~」と目に浮かぶこと多数あるかと思いますが、なかのを知らない方には「??」もあるのではないでしょうか。少し解説します。
「砂場を貸し切ってあそぶ」
そうなんです!
『クラス全員での一斉活動として、「砂場遊び」をしよう』
という事があるんです。クレヨンでお絵描きする、ハサミで工作する、ボールを使ってボール教室をする・・と同じ重要さで「砂場遊び」します。
ちゃんと、先生達で話し合って、ふさわしい時をねらっていくんですよ。
なんで??と思う方。砂場にはいろんな力があるんです。まず、1番は楽しい事。
- 山をつくる(造形的に面白い。達成感もある)
- 川を作る(造形的に面白い。水を使って感触も楽しめる。達成感もある)
- ごちそうを作る(造形的に面白い。ごっこ遊びとしても楽しめる)
- トラック、電車など道具も取り入れて遊べる
と、沢山の切り口が砂場遊びにはあります。なので「30人いたら30通りで遊び出せるくらい」みんなが楽しめるんです。
そして、楽しめるとーー?仲間が広がります。
いつもの仲間とも、新たな仲間とも、楽しい体験を通じてつながることで、仲間が広がります。これは、日々の生活を充実させてくれるきっかけになるんですよ。
なので、進級して少しなじんできた5月ころに、さらに充実することを願って「みんなで砂場」という活動を取り入れます。
「裸足になって」
なかの幼稚園では、いつでも裸足で遊べます。砂場で裸足で遊ぶ。楽しですよ~!
ですが、実は、これは楽しめないという子も中にはいます。初めて幼稚園に来て、という子は砂場で楽しめない子がいます。裸足なんてなおさらです。
これは、砂の感触が楽しめないということです。砂が手や体について不愉快、というのは汚れることに対して緊張感や不快感があるという事。
これは、多少の個人差はありますが、だいたい緊張がとれると楽しめるようになります。さらに緊張がほぐれると、裸足も楽しめます。
実は、靴を脱ぐ・服を脱ぐ、というのは安心していないとできないんです。だから、「裸足で遊べるというのはその子の安心度をある程度測るバロメータ」にもなるんです。
裸足で砂や泥の感触を楽しめるって、本来楽しいんですよ。八王子の寒い冬でも裸足になる子がいますから。
「泥だらけになって」
砂場で遊ぶと、泥だらけになる事が多々あります。なかの幼稚園の砂場は、水を持って来ていいので、なおさらです。
なので、なかの幼稚園では各保育室の上がり口の近くには水場があります。そこで・又は足洗いを用意して、泥を落として部屋に上がります。
「お弁当の後も」
お弁当の後にも、自由に遊ぶ時間があるので、やりたい子は午前中の遊びの続きをできます。
これは、遊びの探求というのには大事なんですね。4歳、5歳くらいになると、30分や1時間では終わらないレベルで遊ぶことがあります。「続き」でパワーアップしていくことで遊びや楽しさが深まることってあるんです。
こういう持続力というのか、発展力というのか、とにかく積み上げていく楽しさって、大事ですよね。うーん。これ、就学前に体験しておきたいことの一つですね。
砂場で大事件!?お便りから「大きい山ができました。ドカン!」
さて、こんな風に遊んだ砂場がきっかけで、面白いことが起こりました。このクラスとは別のクラスが遊んだあとなんですが。そのクラスのおたよりからご紹介します。
雨に濡れて、良い湿り具合の大きい砂場。昨日、男の子が山を作り始めて・・
「てつだって~」と頼まれた他の子たちも一緒に大きい山づくりが始まりました。
で、その後が面白かったんです。その大きい山をみて、他のクラスの子たちがそれぞれ「わ~大きい山!・・もっと大きいの作る!!」と友達を誘い合って大きい山を作って行きました。
最初に山ができたのが、お昼前。お昼後にもう一つ大きい山と、その周りに小さい山や川や池。
その放課後、預かり保育の時間も砂場は遊ばれて、大きい山を見た子たちが大勢…次の日…
「なんと、7つ?数えきれない山ができました!」
この位大きい山は、一人じゃできないですし、時間もかかります。
実は、小さい子たちはこの時期大きい山を作ろうとしても、崩すのが楽しくなっちゃったり、飽きちゃったり、とあまり大きい山にはなりません。
ここに山を作ろう、と企画してやり遂げられるのは、1学期は5歳年長ですね。(先生が手伝えば、年中組もできますよ。最初のクラスみたいにね)重い砂を積み上げるのに体力もいりますし。
このサイズの山を遊びの時間で作れるのは、さすが、と思いました。
同窓会で小学生が来ると、やっぱり規模の大きな砂場遊びが展開されます。
それを見ると、砂場って、小さい子も楽しめるけど、年齢によってそれぞれのレベルで楽しめるのがよくわかります。
そして、形にしていく中では、作っている子の中でどう作るかを共有して、協力して、アンテナ張りつつ作らないとできないんです。
「え、そっちにするの?」「こっちと思ってた」「じゃあ、こっちはやめておく」「水流していい?」「いいけど、これができてから」
なんてね。遊びが楽しめるって、技術がいるんです。楽しんでいるうちに、自然にいろんなことが身に付くのが砂場。砂場ってすごい。
この砂場を支えている隠れた存在たち!?
ここまでなかの幼稚園の砂場が、楽しい中から色んな学びがあることをご紹介しました。紹介しているうちに、「この砂場を支えている先生達」がいるのも紹介したくなりました。
ということで、ここからは砂場を支える、という事についてです。
毎朝、砂を掘り返す!?
実は…
「毎朝、砂場はシャベルなどで掘り返して、柔らかくしています!」
1日、子どもが上を歩いたりして踏み固めると、ちょっと固いんですよ。それを、シャベルで掘り返しておくと、遊びやすくなるんです。
これは、担任の先生もしますが、バスの先生達も手伝ってくれています。中学の職場体験に来た卒園生もやったりします。
大きい山、みたいな「ばってんマーク」で取ってあるのは残して置いたりします。
冬場は・・凍ってしまって掘り返せないこともある、八王子です。無理して掘ると、シャベルが曲がるんですよね。
秋の落ち葉の季節は、葉っぱを取ります。これもなかなか難しい‥。ブロアーという風で飛ばす道具は便利ですが、カラカラだとすごい砂ぼこりになります・・。
足洗を用意したり、水道を掃除します
子どもが好きに遊ぶ時に、足がドロドロになったら洗えるように、準備しておきます。
大きくなると、段々自分で足洗のたらいやタオルを用意するようになりますが、それにしても手の届くところに置いておくのは先生です。
そして手や足を洗って砂がたまる水道を毎日掃除しています。砂場遊びが上手でない一学期は、やたらと砂が水場に来るので、結構1日で大量の砂がやってきます。
道具を洗ったりもします
砂場道具を洗ったりもします。砂場係の年長組と洗うこともありますし、別で洗うこともあります。
とくに、トラックや一輪車と言った大きいものは先生が洗います。時々子どもが遊びで洗車していることもありますが。洗ってきれいだと、使う時に気分もいいのですが。うーん、大変なのは大変です。
じつは買ってるんです。砂…
なかの幼稚園の砂は、
「時々買い足します。なぜか、砂が減るんですよね~笑」
いや、なぜかではなく、はっきりですね。お団子にして取っておく、トラックに載せて園庭を走るうちにこぼして砂でラインが引かれていく、なんて持ちだす場面がありますし、靴やポケットに入ってお家に持っていかれる砂もたくさんあるでしょう。
我が子の靴をトントンとすると、砂の小山ができる、という体験を持つお母さんたくさんいますよね?!
そんなこんなで、砂がたりなくなったら、砂を買っています。ちょっとたかいけど、握りやすい砂。以前はサラサラのちょっと値段の安い砂だったのですが、遊びやすい方にしています。
ダンプトラックが運んできて、砂を下す時には、運よく見れる子たちは大興奮です!
こんな感じで入ってきて…
ザザーーーん、としたら…
みんなで登ります笑
園長先生のつぶやき
快適に遊べるために、先生達は毎日気にかけているんです。ごみがなくて思い切り遊べる砂場って、気持ちいいですよね。
以前、公園の砂場で子どもと遊んだら、ごみというかいろんなものが出てきて危険を感じたことがりました。その時、幼稚園の砂場は安全で安心で思い切りあそべるんだな~と分かりました。
子ども時代にやっておきたい遊びは、「砂遊び、泥遊び、水遊び」と聞いたことがあります。それって、なかの幼稚園なら砂場に全てあるな、と思いました。
のびのびと遊ぶ。遊ぶ中でいろんなことを身に付ける。砂場遊びはそれにぴったりです。