子どもを育てていると、これはどうすればいいの?!という事がたくさんあります。
なかの幼稚園の未就園児クラス「親子の広場」では、そんな子育ての悩みや疑問を出し合う「悩み相談・井戸端会議」の時間があります。
第1弾は「子供にテレビを何時間見せてますか?」のお話でした。第2弾は、子どもの言っていることって、どこまで聞けばいいの?これってわがままじゃない!?の悩みです。
子どものわがままをどこまで聞いていいの?
「親子の広場」の木曜、金曜各クラスで、いろんな形でこの「これってわがまま?」問題が出ました。具体的には、
などなどです。
『子どもの言うことをどこまで聞けばいいのか?全部聞いていたらわがままな子になってしまうんじゃないか』
という悩みは、親であれば誰もが一度は悩むのではないでしょうか。子どもと関わる幼稚園の先生としても、誰もが考えることだと思います。
「これは、子どもの欲求として言う事聞いて願いを叶えてあげるべきか、理不尽なわがままだからダメです、とするべきか!?」色々な基準があると思うんです。発達を考慮して、とか、〇〇というルールを作るとか。
広場での親子の様子、保育者としての勉強の中から、こういうことを大事にしてみると、判断しやすいのかな、ということをご紹介します!
そもそもどこに原因があるのか、考えてみましょう!
まず、そもそも問題になるという事は、「子どもの要求と親の要求がすれ違っている」というのがあると思います。
「これ買って」という時に、「それは買っていいよ」であれば問題にはならないはずです。「あれも買って。やっぱりこれも買って」と際限がない時は、ルールというか区切りがいりますよね。「今日は一個買うんだったよね。どっちにするの?」と、区切りがあって、守っていいと思うんです。
次に、「子どもの要求も、親の要求も、度が過ぎる」というのがあるかもしれません。
さっきの例でいえば、子どもがいくつも買ってとおねだりしてくることだと思います。一方で、親目線での要求も、時々無茶なものもあります。例えば4歳の子に「自分で靴をはいて」というのは妥当かもしれませんが、4歳に「弟の面倒を見て」は無茶だと思います。
また、普段から歩きなれている子に「お家まで歩いていこう」は簡単でも、普段歩いていない子に急に「自分で家まで歩いて!」と言っても難しいかもしれません。
もちろん、歩くのは大事だから自分で歩けるようにしようと考えるのは良いですが、
『その子に見合った要求、今のこの子なら、これくらいはできるかな』
こんな目標設定がいりますね。
ぜひ、ネットで検索した知識というよりは、目の前の我が子をみて、設定してみて下さい。また、周りの子の影響というのもありますから、周りの子との関わりも参考になるかもしれません。
ここで大事なことは…?
ここで一つ問題になるのが、「子どもの要求の中身を受け取る力」です。
実は、子どもって、言ってくることと本当の欲求が違う時がありますよね。広場でよく見ているとあるのが、「もっと遊んでいきたい」という子どもの言い分です。
帰ろう、に対してイヤという時、本当に遊び足りない子は、「いいよ、じゃあブランコしよう」などと、ある程度遊ぶと満足できるのですが、本当はおなかがすいてイヤイヤ言っている、という時は何をしてもぐずぐずしていますよね。そんな時は、もっと~!といわれても抱っこで帰ってお昼ご飯にする区切りがいると思います。
もっと小さい子だと眠い時に理不尽なイヤイヤが良くありますよね。その違いはどこで見分けるか!?残念ながら、全員に当てはまる目印はあまりなくて、我が子を普段からよく見ておくのが一番だと思います。
「うちの子、この時間は普段お昼ご飯にしているよな…」とか、「眠い時って、ママ~!てなんでも言ってくるよね…」とか。そして、もしそれがわかったら、ぐずぐずすることを回避するのも一ついい方法かもしれません。たっぷり遊ぶ時間をつくる、とか、おなかがすく時間にはおにぎりを用意しておく、とか。
子供の要求には変化球もある!?
こういう要求の変化球で、幼稚園で時々あるのが、「服をあれでもない、これでもないって、着替えてくれなくて、遅くなりました」「朝ごはんに無茶なものをリクエストしてきて困りました」なんていう時。
実は、こういう時に『友達とけんかしたから幼稚園行きたくない』とか『今日は運動会で、やりたくないからいやだな』という、他の理由が隠されているときがあります。
「もしかして、行きたくないの?」「ドキドキしてイヤなのかな?」なんて、本当の理由に気が付けると、リクエストが解消してしまう事があります。普段と違う?というわがままな時に時々隠れています。
あ、病気の体調不良の予兆の時もありますよね。普段と違うわがまま。言われていることにカッカせずにいると、気が付きやすいのですが・・。
子供のわがままがエスカレートしたときは、どうすればいいの…?
もうひとつ、子どものわがままがエスカレートしていく時が困りますよね。一つ聞いても、次々と言ってくる時。これは、何か別の要求が隠れているときが多いです。
結構多いのが、アピールとしてのわがままやおねだり。たとえばAちゃんとします。Aちゃん、先生と過ごしている時には穏やかにしているのに、お迎えでお母さんが妹と現れた途端に、「あれして!」「これして!」「なんでやってくれないの!」と急に色んなことを言いだす事があります。
これは、Aちゃんに「お母さんを妹が独占している」様な気持ちがあり「妹より私を見て!」という気持ちが根っこにある為のわがまま。
こうなると、どこまで受ければいいの?どこからがわがままなの?という事を越えているという状況ですね。お母さんから見ると、お母さんの前ではこの無理な要求のAちゃんばっかりなことが多いので、途方に暮れるし、本当の要求に気付きにくいという厄介な状況です。これは、目の前の状況からすぐ対応するのは難しいのですが、次の事を知っていると少し役に立つと思います。
子どもがガマンしたりがんばっているときに「本当はガマンして頑張ってくれているのかな?」とくみ取ってもらえる、わかってくれているという事で満たされるのです。がんばりを「ありがとう」と感謝してもらえる事で、またがんばろうと思えるのです。
このがんばりやガマンを察してもらえず無視され続けていると、「もう!」と、自分の満たされなさを爆発させてしまうのです。
つまり、エスカレートするわがままには、「あれ?満たされていない?」が隠れているのかもしれません。ある意味、エスカレートしていない時のことが大事で、
という事ですね。わがままに限らず、子どもの要求や気持ちを汲むというのは大事です。イヤイヤやわがままに、どんな気持ちが隠れているのかを気付けると、どの要求につきあうか、どの要求は聞かないか、ちょっと判断しやすいと思います。
こう書いてみても、客観的にはわかっても、いざ自分が判断するときには難しいです・・。みんな難しい!自分だけじゃない、というのが少しは励ましになるでしょうか??がんばってください。
園長先生のつぶやき
余談になるかもしれませんが、わがままが勝つ状況もあるかと思います。
例えば、がんばって歩いてくれている我が子だったが、疲れが勝って抱っこも仕方ないと判断する場合、などです。そういう時は、ぜひ、四の五のいわずに抱っこしてあげてください。
子どもは、がんばって歩く方が望まれていることはわかっている、そのうえで抱っこしてもらいたい、という状況です。
「あーあ、今回だけだよ」「もうちょっとお姉ちゃんだと思ったのにな~」「なんであるけないの」という余計な一言は封印して、「はい」と抱っこしてあげてください。
そして、抱っこするというのは親ががんばったということ。自分のことも、よくやってるね!とほめてあげてください。