2024年の運動会が、無事終わりました。
なかの幼稚園では、ここ何年か、小さい組の保護者が参加する(観に来る、というだけより、親子競技があるので参加する、と言いたくなります)日と、大きい組の保護者が参加する日、2回の運動会があります。
コロナで大人数を分けるために始まったのですが、小さい組にはこの規模のこの形が良いみたい、という事でその後も続いています。
余談ですが、コロナで変化して、戻ったことと戻らない事、ってありますね。なかの幼稚園では、子どもの為に良かったことは戻らず、そうでないことは戻りました。
なので、小さい組は保育の中での運動会となっていて、大きい組は午後もある以前の形の運動会をしています。
以前に、年長そら組の取り組みと、年中もり組の取り組みを書いたことがありました。なので、ここでは小さい組の様子をお届けします。
「かけっこしてます!」(年少つくし組のおたより)
お散歩にいって、そこで皆でかけっこして楽しかったので、幼稚園でもやっています。最近もかけっこが楽しいみんな。
誰かが「かけっこしよー!」と言って、走っています。『見てる』参加や、『スタートの笛を吹く』参加、『走る』参加。色々ですが、「先生に負けないぞ!」と力強い子ども達です。ほとんど毎日走っています!
「探検に行こう、のお楽しみしました!」(年少つくし組のおたより)
園庭で、「探検に行こう」というおたのしみをしました。
- トンネル
- とび箱に乗ってタンバリン・パン!
- 玉をひろってカゴに入れる
わくわくしながら、トンネルの中に入っていく子もいれば、少しドキドキして先生と手をつないで楽しむ子もいましたよ。
「も一回やりたーい」の声があったので、2回行いました。運動会の日では、お家の人と一緒に行う種目です。一緒に楽しめますように!
この「探検に行こう」の親子競技と、子どもだけで走る「かけっこ」が小さい組の種目です。
年少つくし組は、この他に踊りもあります。それぞれ、楽しく取り組んでいました。
そして、実は、この他に大事なことがこの運動会の前の時期にあるんです。
運動会の前の大事な時期?
自分達とは違う学年がやっていることを、「おもしろそう!」と真似してみる、自分でやってみるという様子をご紹介します。
これが、とっても大事なんじゃないかな、と思っています。
「つくし組にんじゃ」(つくし組のおたより)
もり組さんが、園庭で忍者の修行をしている所を発見。
ちょっと見に行ってみよう!でみんなで見に行くことに。どうやらいろいろな修行をしているぞ・・
「私たちもやりたい!」さっそくもり組さんの真似っこをしてつくし組も修行をしてみました!
「○○やりたーい」(ひよこ組のおたより)
最近、自由の中で、”忍者やりたーい”の声で、お部屋で踊ったりするのですが、この日は朝登園してきた時に言っていた子がいたので、この日のおたのしみとして、お集まりの時にみんなで踊っていきました。
園庭では、他学年がかけっこやリレーをやっていて、運動会の雰囲気も出ているかしら?(ひよこ組は運動会、とは感じている様子はありませんが)
昨日、そら組さんのリレーをテラスから見ていた子がまねっこでグルグル走り出したり、手を指さして”何か持ちたいのよ、私!”の様子だったので、リレーのバトンのかわりに空き箱のトイレットペーパーの芯を手渡すと、グルグルと持って走っていきました。
他の子も「やりたーい!」となったので、お部屋の前にリレーのトラックのように線を描いて、ぐるぐる~と走るのを楽しむ姿がありました。
- 面白そう!と思ったら、自分でやってみる、自分もやれると思える事。
- 大きい組がやっていることに興味を持つ→大きい組に憧れる
- 取り組むときに、その年齢らしく取り込む。
特に、この時期の②は、いろいろな学年がいるという園生活ならではの事です。いい機会になっていると思います。
そこに、もう一つ面白いのが、③です。忍者の修行の真似っこは、そっくりにできます。
でも、年長のリレーの真似っこは、形はマネできてもルールは難しいんです。だから、一人一つバトン代わりの芯をもって、グルグルと走るんです。
一つのバトンをチーム皆でつなぐ、とか、まだわからないんですね。大きい組が何人かグルグルと何かを持って走っている。というのが小さい組から見ての「りれー」なのでしょう。
今年は、満3歳ひよこ組の子が突然その場でぐるぐると回りだしたので、びっくりしていたら、リレーを目にしてリレーをしているつもりでいた、というのがありました。
「目にしたものをマネする」というのに認識や理解の力が大きく影響するのも面白いですし、「そうか、そう思ったんだね!」という発見も面白いです。
こんな、異年齢での取り組みが日常で触れられるのが、自分と違う年齢の子を知るきっかけになると思っています。
そして、大きい組に憧れるのも良いですよね。大きい組に憧れられる生活を大事にしています。
コロナ以降、小学校の運動会が、各学年が演技や種目をして、ほかの学年はクラスにいるという形から戻っていないのをちらほら聴きます。もったいないと思います。
大きい組の取り組みを知って、その迫力を知る。小さい組の様子を知って、自分達もあんなだったかな、と違う年齢を知る。6学年もあったらいい学びになると思うのですが…
そして、最後に。この経験を、絵に残します。
「運動会の絵を描いたよ!」(つくし組のおたより)
「運動会やったね」「どんなことした?」など振り返ると、子どもたちから「にんじゃ!」「よーい、ぴ!した」「はなまる(もらった)」などの声が。
そこで、「運動会で楽しかったことを絵にかいて、お部屋に飾ろう!」と伝え、クレヨンで絵を描きました。
今回は白い紙と黄土色の紙を用意し、子ども達が紙を選んで書きました。
「ママ!」「パパ!」とお家の人を描く子もいれば、「よーい、ぴ!した」「かけっこの線」など運動会のことを描く子、自分の好きなものを描く子もいました。
どれも素敵な絵ばかり。お部屋に飾ってあります。
「経験したものを絵にしてみる」
面白いですよね、年少組くらいだと、運動会って言ってもお休みの後(代休などあるので、ちょっと間があいています)だと、いろんな絵になってしまう。
この時期の子どもたちらしいな、と思います。
もちろん、年中・年長組はしっかり運動会の様子が分かる絵を描いていましたよ。この1年2年の成長って大きいですね。
園長先生のつぶやき
運動会。なかの幼稚園の取り組みは、小さい組では、見栄えはしないかもしれません。
踊るって言っても、ごちゃごちゃな中で踊るし、写真映えするポーズを指導するわけでもありませんし。
かけっこで、ゴールに向かってやってくる姿がとっても輝かしい!というのはありますが、ドラマチックな演出はないので、自然ににじみ出る輝きだけです。
それが素晴らしいし、にじみ出るのって、その歳ならではの物なので、かけがえのないものなんですけどね。
絵だって、なんなら運動会に関係ないものを描いたとしても、ボツにしませんから。
「でも、それが1年後、2年後に成長がわかる元にもなります!」
大きい組の取り組みと小さい組の取り組みと。同じ日にうんどうかいがあっても、それぞれのねらいと充実がある。
運動会の日だけが大事なわけではないですが、大きな節目の一日ではあります。今年も良い一日でした。
誰かが「かけっこしよー」と始まる。そうなんです、なかの幼稚園では、かけっこは遊びの中にあります。毎日の自由遊びの中で、遊びとして走っています。
園庭に、かけっこの線が書いてあって(なければその時に書いて)そこで思い思いに走る。
皆で集まっての一斉活動になることもあります。が、自由の遊びの中でも走るって楽しい!と感じられる事って大事だと思っています。
子どもと一緒にかけっこしていると、体を動かすって、楽しい!というシンプルな喜びが伝わってきます。
これ、この年齢の子たちにはとっても大切な感覚ですよね。ある研究で、
「小さい頃に運動の楽しさを感じられないと、中学生以降にスポーツに触れる機会がへる」
という事が分かったそうです。体を動かすのが楽しい!まさに、なかの幼稚園の小さい組の運動会の狙いの一つです。